2009年4月15日
シリーズ「この人」網幸太さん・相澤銘木(株)代表取締役
(あみ・こうた)昭和25年生まれの59歳。相澤銘木(株)代表取締役、(財)秋田県木材加工推進機構理事長。
産学官のとりまとめ役、事業強化に全力あげる
木都・秋田県能代市で本格的な大断面集成材を作る相澤銘木(株)では現在、改築することになった地元小学校2校の木造体育館の大断面集成材を作っているが、とにかくでかい。木口の加工などは大型クレーンで吊って屋外に運び出し、大勢の大工が図面とにらめっこしながら加工する姿が見られた。
網さんは「秋田杉だけで大断面集成材を作りたいが、設計上の強度を確保するためには、米マツなどを使わざるを得ない。もう少し太くすれば秋田杉だけで十分な強度を確保できるのに、太くすればデザイン上などの齟齬(そご)が出てくる。例えば強度確保だけ要求されれば、言われた通り作らざるを得ないのだが、もっと広い視野で取り組めば、秋田杉だけで品質・強度を上げながらコストを下げる方策が見つかるのではないか」と話す。
秋田杉はかつて天然秋田杉を含め建築用材としてしか活用されなかった。それはそれで戦後の復興に役立ったが、建築用材以外への利用開発が遅れたのではなかろうか。数年前から秋田杉は合板用材として脚光を浴び、またバイオマスなどへも用途が広がり始めているが、そういう時期こそ山への還元・環境改善のシステムづくりが必要と強調する。
網さんは、秋田県立大学木材高度加工研究所(木高研)の研究成果を民間企業で事業に結びつける橋渡しをする、(財)秋田県木材加工推進機構の理事長という要職を担っている。
「木高研の研究成果のすべてが、すぐに企業に役立つわけではない。しかし先生方はそれぞれのテーマを追及しており、長い目で見れば必ず秋田、あるいは日本の林材業に貢献すると思う。ただ、研究成果を業界あるいは行政が受け止めていくというシステムづくりはまだ、あまりうまく行っていないと思われる。推進機構では『業界ではこういう問題を解決してほしい』といった要求を木高研にぶつけ、また研究成果は行政と一緒に具体化する方針を探るなど、推進機構の柱となる事業を強化していきたい」と話す。