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2009年3月25日

シリーズ「この人」飯塚利一さん・日本野鳥の会事務局長

吉田庄太郎さん・(財)熊本県林業従事者育成基金常務理事
(いいづか・としかず)1954年東京生まれ。子供のころから動物好きで、高校から野鳥を見始めた。大学生の時にボランティア活動の幹事をして自然保護に興味を持つ。日魯漁業を経て財団法人日本野鳥の会に転職。密猟対策、総務、横浜自然観察の森チーフレンジャーなど幅広く仕事をする。現在は理事・事務局長。著書『野鳥の観察』実業之日本社刊など。(左から2人目。横浜自然観察の森レンジャーと撮影)

生物多様性の森づくりを支える「知る」こと

森づくりと言っても、目的は木材生産のほか、国土保全、環境保護、資源確保、レジャーなどと多様を極める。目に見える資源として木材生産、いわゆる林業が森づくりの中心だが、そうでない森づくりもある。環境保護という視点で森づくりを支える日本野鳥の会は、会員5万人を抱える国内最大級の環境系NGOの一つ。事務局長の飯塚利一さんに環境保護の観点から国内の現状をうかがった。

--日本野鳥の会の活動内容は。 「野鳥観察という趣味的な活動のほか、自然環境の保全、保護が根源的な活動で、森づくりを支援する活動もその一つ。都市部に繁殖するカラス、ムクドリなどの生態変化は、自然環境の変化を表していて、人間と共生するしか生きる道がない。野鳥の変化はバロメーターで、多くのひとに気づいてもらいたい変化でもある」

--環境変化の現状は。 森林国の日本にはかつてフクロウが多くいたが、体の大きなフクロウが営巣する太い幹を持つ木の減少から、その数は激減している。本来の生態系も変化しており、補食する小動物も減少した。フクロウが森に戻るには、本来の森に戻すことが必要で多くの年月がかかる。コウノトリの繁殖など明るいニュースもあるが、生息する自然を正常に近づけるには大変な労力がかかることを理解してもらいたい」

--自然保護の森づくりとは何か。 フクロウで言えば繁殖活動を行っているが、全国に10カ所ある自然観察の森を通して自然環境のレクチャーをしている。私もかつて横浜市自然観察の森でレンジャー(ガイド役)の経験があり、拠点的な活動によって広く消費者へ自然環境の理解を求めている。まずは知ってもらうことが重要。生態系には何一つ欠けていいものはない。カラスが都市部で悪さをする現象は特異的なもので、森の異常性を訴えている。生物多様性の森づくりは今後も多くのひとの理解が必要となってくると思う」

日本野鳥の会が管理する自然観察の森は、自然環境の縮図でもある。復活しつつある環境を支えるのは、人々の理解だ。