
市区町村別の巨木本数(本)
同報告書は、1988年に実施した前回調査で確認された巨樹・巨木林の現状や、新たに発見された巨樹・巨木林を把握するため、全国の市町村および巨樹・巨木林に関する調査研究を行っている任意団体「全国巨樹・巨木林の会」(東京都台東区、菅沼孝之会長)の会員にアンケート調査を実施し、集計・解析結果を取りまとめたもの。全国1661市町村および同会会員50名から調査票や写真、地図などを回収、それを基にデータベースを作成した。 調査対象は、地上から1・3メートルの位置で幹周囲が3メートル以上の樹木。測定巨木総数は6万4479本(調査票が提出された樹林・並木における巨木の数)。測定しなかった巨木の推定本数2万本や、前回調査で抽出した推定本数6万本などを勘案すれば、日本の巨木の本数は13万~15万本程度に推測されるという。 市区町村別の巨木本数は、東京都西多摩郡奥多摩町が891本で1位。実測された巨木のうち、もっとも多かった樹種はスギ(1万4869本)であり、次いでケヤキ(9452本)、クスノキ(5926本)、イチョウ(4855本)、スダジイ(4830本)の順。巨木の所有者でもっとも多かったのは寺社で、全体の57%を占めた。 また、幹周囲が12メートル以上の巨木117本を都道府県別にみると、鹿児島県が13本ともっとも多く、次いで山形県、静岡県、福岡県が各7本、青森県が6本、岐阜県、沖縄県が各5本と続いた。巨木上位3位は、鹿児島県姶良郡蒲生町八幡神社のクスノキ24・22メートル(蒲生の大クス)、静岡県熱海市のクスノキ23・9メートル(阿豆佐和気神社の大クス)、青森県西津軽郡のイチョウ22メートル(北金ケ沢のイチョウ)。 さらに、巨木と人との関わりについて、故事・伝承について報告があった295件を整理した結果、歴史的な人物や事件のいわれを伝えるものが109件、次いで災難から逃れるなどのご利益があるものや願を掛けるものが99件あった。信仰対象となっている巨木は全体の22%を占め、樹種別にみるとスギ、シイ、サワラ、ヒノキの30%が、その対象となっている。 同調査を機に全国で巨木の保全を巡るさまざまな動きが生まれた。89年に「巨樹の里宣言」を行った東京の奥多摩町は、94年に全国初の巨樹・巨木林の情報・資料センターとなる「巨樹ミュージアム・日原森林館」を設立するなど、巨木をとおして身近な自然を見直す機運が高まり、以来、フォーラム開催やネットワーク形成が持続的に進展している。「全国巨樹・巨木林の会」の菰田誠事務局長は「巨木の数だけではなく、巨木を大切にする想いを大事にしたい」と話している。
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