2009年3月20日
シリーズ「この人」吉田庄太郎さん・(財)熊本県林業従事者育成基金常務理事
(よしだ・しょうたろう)昭和21年2月8日生まれの63歳。昭和43年鹿児島大学林学科卒業と同時に熊本県入庁、木材流通対策室長、林業振興課長、林務水産部次長などを歴任。平成18年3月に退職、6月(財)熊本県林業従事者育成基金の常務理事に就任。
不況を林業基盤づくりのチャンスに
「温暖化防止で林業は追い風が吹いており、森林整備の国、県による間伐補助などはしばらく続くので、今の不況は人材確保と林業基盤づくりのチャンスだ」と吉田庄太郎さん。
熊本県林業従事者育成基金の主催でこのほど開かれた、平成20年度「森林の仕事ガイダンス」会場は、不況による雇用情勢の深刻化で、昨年の3倍の163人が来場する活況を呈した。吉田さんは「最近の世相を反映し就業相談者が急増した。林業への関心が高まるのは嬉しいことだが、新規就労者の定着率を上げ、森林整備の担い手となるプロの林業マンを育てるには、賃金、社会保障制度、住宅の確保など、継続的に安心して働ける事業体の就業環境整備が欠かせない」と指摘する。
熊本県は森のガイダンスや、林業就業者の住宅補助、賃金の助成などの支援事業を全国に先駆け実施している。同基金が、平成18年度から開始した「新規参入給与安定対策事業」では、認定事業体が55歳未満の新規採用者を雇用し、賃金を最低基準以上(1カ月16万円)支給する場合は、1人当たり月3万円を3カ年間助成(退職金共済と社会保険3点セット加入者が対象)する。また「新規参入者住宅確保支援事業」では、1人当たり月1万円を4カ年間支援する。このほか林業事業体が、林業従事者をグリーンワーカー研修に派遣し、資格を取得させた場合に要した経費の一部助成額を、平成20年度からは1人当たり40万円に増額している。
吉田さんは「こうした補助事業は、新規就業者の定着、林業技術の向上と事業体が雇用保険、健康保険、年金の社会保険3点セットに加入しやすいようにして、林業の職場環境をレベルアップするのが目的。とくに新規就業者の住宅確保では、公共住宅の空き家利用などで行政と県森連等の関係団体が連携しての陳情や、地域町村と話し合いを進めることも必要」と語る。
県庁時代の思い出は「昭和60年の全国植樹祭で、開催までの3年間準備室参事として会場造成に睡眠時間を削って頑張ったことが懐かしい、また熊本県の"水とみどりの森づくり税"創設に携ったことなど」が印象に残っている。Ⅰ級造園施工管理士の資格を持つ吉田さんの趣味は家庭菜園。土、日曜日は250坪の貸農園での農作業に汗をかくのが日課、耕運機で土づくりし、ハウス栽培にも取り組むという本格派だ。