2009年2月25日
シリーズ「この人」田島義勝さん・地域材で家を建てる・道南材の利用を考える会会長
(たじま・よしかつ)昭和14年生まれの70歳。昭和42年に、先代の山林を引き継いで、山林経営に取り組み始める。現在、はこだて広域森林組合の組合長。地域はもとより北海道林業の発展に尽力された功績により、平成20年度の北海道産業貢献賞を受賞された。
道南スギの「地材地消」運動に取り組む
田島さんが住んでいる道南の北斗市は、2006年に上磯町と大野町が合併してできた新しい市である。そこで、田島さんたちは昨年、函館市、北斗市、八雲町の住宅建設業者11人と渡島東部森づくりセンター職員1人で構成する「地域材で家を建てる・道南材の利用を考える会」を発足させた。会の活動について田島さんは「地域の森づくりと木材利用の持続的な循環が必要であり、地材地消の普及PRと建築材としての利用促進を図りたい」と意欲を語る。
また、道南スギへの自身の思いを「幼い頃から植林などを手がけて、成長するスギを見てきている。今は、木材価格の低迷で林業採算性の悪化から林家の森づくり意欲が減退してきているので、少しでもスギの付加価値を高めていければと思っている」と語る。
道南(渡島・檜山支庁管内)地域では、古くからスギが植林されてきた。カラ松、トド松、スギなどの人工林面積約15万1000ヘクタールのうち、スギは21%の3万2000ヘクタールほどある。トド松は比較的若い林齢が多いが、スギは40林齢以上が多い。つまり、利用期に達した森林が多いのだが、これまで地元ではあまり使われず、本州に出荷されてきた経緯がある。そこで、田島さんや森づくりセンター(北海道庁)では、地元で育った木を地元で使おうという運動に取り組んでいるのだ。
活動内容は、地域材資源、需給動向、地域材住宅建設に係る支援施策などの情報交換や、地材地消モデル住宅の検討、バスツアーによる市民普及PRなど。昨年10月北斗市で開かれた第1回バスツアーには地元北斗市はじめ函館市などから約50人の市民が参加した。「バスツアー参加市民から建築資材としての注文依頼があるなど普及PR効果が高まった」と田島さんが語るように着実に成果は上がっている。
今年は、道南材を使った地材地消モデル住宅の検討(6~7月)、バスツアーによる市民普及PR(10月)を予定している。世界同時不況でムードは良くないが、田島さんたちの地道な活動が近い将来実を結んでいくことは間違いない。