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2008年12月10日

シリーズ「この人」林雅文さん・株式会社伊万里木材市場社長

林雅文さん・株式会社伊万里木材市場社長
(はやし・まさふみ)
昭和54年明治大学経営学部を卒業後、木須木材(有)入社、62年大東建託(株)を経て、平成10年(株)伊万里木材市場入社、同13年2月に代表取締役社長に就任。皆伐跡地の再造林など森林整備事業にも取り組む。

地域材の生産・物流効率化事業に取り組む

木材市場経営の厳しい状況が続くなか、新しい国産材時代に対応した伊万里木材コンビナート事業をはじめ、森林整備、システム販売への特化、地域材生産・物流効率化事業など木材市場を核とした新事業への積極的な参入、先駆的な取組みが注目されている佐賀県伊万里市の(株)伊万里木材市場。

代表取締役社長の林雅文さんはこのほど、九州森林管理局で開かれた平成20年度「森林の流域管理システム推進発表会」において「九州材の利用推進について」のタイトルで講演し、「国産材製品の安定的な生産・流通・販売体制づくり」を目指した、最近の伊万里木材市場の取り組みについて発表した。

新たにスタートする伊万里木材市場を核とした「地域材生産・物流効率化事業」について林さんは「外材や大手メーカーに対抗するには、国産材の効率的な生産体制や、コスト削減、規格・品質の一定化した製品生産のための集約的な加工、乾燥体制の整備が必要だ。また、プレカット工場との連携や、住宅建設会社の品質・規格統一も欠かせない。しかしこれらの取り組みは単体では限界があり、生産・流通・製材・加工・販売の一貫した整備体制づくりが必要である。この新事業は、国産材の高品質化に対応した新生産システムの地方版であり、伊万里市場はこれらの整備の核となって、今後の地域材の生産流通活性化に貢献出来ればというのが目的だ」と語る。

取り組み内容は、佐賀県森連、素材生産業者と協定に基づき原木を安定出荷。市場で丸太を選別し、地域の製材工場(約10社)へ供給し、製材品は市場が人工乾燥・モルダー加工・グレーディングマシン等で品質管理する。伊万里コンビナート内の中国木材プレカット工場で加工。市場がJASを取得し、佐賀県内の木材販売店、建設会社、工務店に高品質な製品の出荷を行うというもの。また、インターネット「九州・西日本ラミナ等モデル木材情報取引サイト」を積極的に活用し、素材の生産・購入情報、市場の素材・製品入荷情報をタイムリーに掲載し、木材流通の活性化を図るとしている。

伊万里木材市場とラミナ製材の西九州木材事業協同組合(林雅文理事長)は平成18年には「スギ材の需要拡大に向けた木材コンビナートの形成」で第6回木材供給システム優良事例コンクール農林水産大臣賞を受賞している。

現在、同市場の杉、桧丸太取扱量は、中国木材向け集成材ラミナ原木を含め年間28万立方メートル(19年実績)に上り、原木の集荷エリアは九州各県と山口、広島、岡山など西日本一円に及んでいる。今年は将来にわたる原木の安定供給と、温暖化防止のため、皆伐後地の再造林など森林整備事業にも参入した。

再造林事業は同市場が森林所有者と森林整備協定書を締結して、地ごしらえ・植え付け・下刈りを行い、5年後に森林所有者に引き渡す。森林保険にも加入し、地域の森林組合と連携し造林補助金を活用する。林さんは「伐採届諸手続きも市場で代行し、合法木材普及流通活動や、大分県佐伯市などに所有する自社林を活用した森林ボランティア事業も積極的に展開したい」と地域林業を通した環境活動にも意欲を見せる。