2008年8月30日
シリーズ「この人」二ノ宮英寿さん・二宮木材社長(国産材製材 栃木県)
(にのみや・ひでとし)(株)二宮木材代表取締役社長。東北新幹線を北上し、那須塩原駅手前左手に見える「二宮木材」の看板が有名。八溝山系の優良材造作材にも定評がある。住宅建築請負でも着実に実績をあげる。
商売における付加価値を次世代へつなぐ
栃木県那須塩原市で杉中目材に特化した製材工場・二宮木材社長の二ノ宮英寿さんは「冒険だが今やらないと」の思いで新工場を建設、11月竣工に向けて着々と歩んでいる。厳しい状況が続く木材業界のなか、思い切った設備投資の背景にある次世代への期待を込めた想いが二ノ宮さんの根底にある。
同社は昭和22年創業。二ノ宮さんは2代目となる。「15年前に先代が亡くなり、その頃から国産材製材の環境も変化してきた。製品の乾燥化の波が押し寄せてきた」とし、4年前に主力の第2工場を建設した。第2工場は現在、原木消費量2万5千立方メートルで杉板の乾燥材を主に生産している。製品は「□に二」(カクニ)ブランドとして主に首都圏製品市場へ出荷している。
11月竣工予定の新工場は、東北自動車道・那須塩原インターからほど近く、周辺環境は人家も多い。将来的には周辺道路の整備計画もあり「単に工場としてだけでなく付加価値が期待できる土地を探していた」とし用地取得に1年半の歳月をかけた。敷地は1万坪と広大だ。工場としては、周辺に人家もある環境なため、24時間フル操業とはいかない。「生産ペースは上げるものの、極端な増産はしない」。単なる拡大路線に走らないのが今回の設備投資の特徴でもある。それは生産量へのこだわりではなく、付加価値という信念が二ノ宮さんにあるからだ。
「これからの時代は付加価値が大切。製品もそうだが、商売の姿勢も同じだと思う」
新工場は最新鋭の設備を増強するだけあって少人数ローテーションの操業だ。木屑ボイラーへの木屑自動供給システムなど、これまで以上のオートメーション化で作業効率を上げる。ただ、生産性を上げるだけではなく「手間を簡略する部分と、管理や仕分けといった手間をかける部分の明確化」が新工場設立の本当の狙いだ。
二ノ宮さんには息子さんが2人。それぞれに建築請負業、製材業と家業に就いている。従業員は30人。若いひとも多い。新工場には既存工場の付帯設備も移設するとともに、本社機能も移転する。交通アクセスの利便性、土地の将来性は中規模国産材製材工場にとって大きな武器だ。次世代を見据えているからこそ、明確な設備投資が可能なのだ。
「理想の用地が取得でき、商売の将来性を考えたうえで、冒険だが今やらないと」と二ノ宮さん。追い風吹く国産材製材の商売の姿勢は次世代へと受け継がれていく。