2008年8月20日
シリーズ「この人」田尻 久善さん・熊本住宅建設社長
(たじり・ひさよし)熊本・熊本住宅建設社長。昭和11年12月2日生まれの71歳。独自の経営システムによる天然素材の住まいづくりで「もうけ主義はダメ」と話す。
桧柱13・5センチ角の長耐久住宅が坪30万円台
「私は常にお客様第一の家づくりを心がけています。資材は健康に良い熊本県産材のオール杉.桧のムク自然乾燥材で、体に有害な合板や集成材は一切使いません。建築費も営業マンや現場監督もいなく、スタッフは私を含めて6名です。それに展示場もありませんので、その分経費が少なくて済み、お客様にオール天然素材の高級木造住宅を、坪33万円の低価格で還元できるのです」と同社独自の経営システムを語る。
取材に訪れた日、同社事務所(熊本市水前寺4丁目)近くに、2階建て延べ40坪の家を新築中で案内してもらったが、オール県産材で木の香がいっぱい。柱、土台とも桧の13・5センチ角、大黒柱は木肌の優れた桧21センチ角3本、そのほか太鼓落としの杉梁など100年は有に持つ太角の県産材がふんだんに使用されていた。
「いま多くの住宅が新建材や集成材で建築されていますが、年数が経つにつれ本物の木造住宅との違いがでて、熊本住宅建設の家はブランド住宅になると確信しています。現在棟梁12名で年間、コンスタントに50棟を建設しているが、今後こうした本格木造住宅の普及促進を目指して、大分、福岡、佐賀、など九州一円をエリアに建築していきます。熊本県内に建築登録業者が460社ありますが、その中で見た目には小粒でも、創業以来の無借金経営で高級木造住宅建築会社として熊本住宅建設は№1と自負しています。新築したいというお客さんにはすべて私自身が対応し、自然素材の良さ、木材は自然素材だから割れ、反り、色あせは当然する事を分かりやすく説明し、健康には木造住宅に勝る建物はないといえば、ほとんどの人が納得してくれます。そして展示場代わりに建築した家を見学してもらい、プランを持っている人にはその場で即無料で図面をひき概算の見積もりもします」という。これも一級建築士の田尻さんだからできることだ。
「崇城大学市民ホールで、毎月一回、住まいの勉強会を開いているが、もう19年になります。毎回20名程度の方が参加されていますが、こうした勉強会を19年も継続している会社は、九州でも熊本住宅建設㈱だけと思います。」と胸を張る。話題の住宅瑕疵担保履行法の施行については「10年間の保証でしょう。建築して10年は先ず欠陥はでないですよ。これはおかしいと思う。保険料の7~8万円はどうということはありません。4号建築物の特例廃止は問題です。一級建築士、設計士で木造の構造計算ができる者は100人に1人か2人ぐらいです。もし講習受ければその資格が与えられるようなことであれば、かえって欠陥住宅建築が増えると懸念しています」と問題点を指摘。
同社は、リヨン社発行の「木造革命」(船瀬俊介著)の中でも「坪30万円で高級住宅が~熊住協の奇跡」として独自の経営システムが紹介されている。
設計事務所から建築会社経営まで、この道50年の田尻さん「これからは住宅着工数が減り儲け主義の住宅メーカーは淘汰、国産ムク材を使った良心的な木造住宅は必ず生き残ります」と断言する。