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2008年7月25日

シリーズ「この人」松田文夫さん・一級建築士・松田建築設計事務所代表

松田文夫さん・一級建築士・松田建築設計事務所代表
(まつだ・ふみお)1947年生まれ。美唄工業高校卒業。一九七八年に自らの設計事務所を設立、今日に至る。

経年変化を生かす「カラマツの家」づくり

松田さんは2005年秋、札幌市南区藤野の山あいに、自ら設計して「カラマツの家」を建築した。翌年春からは、ここを事務所兼住宅にしている。

「幹線道路脇の活動的な騒々しい街から、自然豊かで澄んだ空気と静けさの中に引っ越して、心地よさを感じています」と語る。

松田さんは、北海道に豊富にあり、収穫期を迎えているカラマツ材に強く惹かれている。3年前、北海道静内町で開かれたあるシンポジウムに出席した松田さんは、カラマツ材に出会う。
「展示してあった艶のある赤味がかった美しいカラマツ材の木組見本を見て驚いた」という。しかし、カラマツ材は、曲がり、ねじれ、ヤニなどの問題から住宅・木材関係者からは最近まで敬遠されていた。

「長年建築には不向きとされてきたカラマツ材です。丁度私の住宅が建替えの必要性に迫られていたので、まず自分の家で実験することにしました」という。

構造は、一般的な在来木造軸組み工法で、プレカットを採用。「ごく一般的に行われている工法で、カラマツ無垢材を実験し、経年変化を見たかった」と松田さん。カラマツの家は、間口、奥行きとも4間四方、総2階建ての住宅。使用木材は、土台はヒバの集成材、間仕切り下地、屋根などに一般製材を使用したが、ほかはほとんどカラマツ材。カラマツ材は、十勝産で径級30~38センチ、樹齢50~60年。製材は全て芯去り材で、人工乾燥して含水率は20%以下。

家に入ってきた人に「この家は息がしやすい」とか「気持ちが良い」と言われるそうだ。また「木には調湿度機能や空気の浄化作用があるのではないか。自然素材が持つ目に見えない力を感じている」という。

2年過ぎた経年変化について松田さんは「柱に隙間が出来ているが、構造に支障はない。ツメ張りを入れて対応。また、梁にヤニが染み出してきているが、これは木が生きている証拠。梁が若干変形したのには、狂いを止める受け木を入れた」とのこと。

目下、札幌市厚別と藤野で松田さんの設計したカラマツ住宅が建築中で、「これまでの経験を生かして対処していきたい」と意欲的だ。