2008年7月20日
シリーズ「この人」長谷川活一さん・栃木県 丸公
(はせがわ・かつひと)株式会社丸公代表取締役社長。杭丸太専門で商品の種類は数百種類にもおよぶ。膨大な商品の製造・管理は熟練職人による人海戦術が基本。誠実な仕事ぶりは商品だけでなく信頼を生み出す。
究極の小径木活用で日本の山を支える
商品の魅力は「働きもんの従業員のおかげです」
休憩時間が終わる5分前。静まった工場内。「うちはみんな働きもんだから、いまに動き出しますよ」と言うや否や、一斉に機械音が鳴り響きその静寂を破る。杭丸太加工専門の丸公(栃木県大田原市)の長谷川活一社長は“少量でも即納”がモットー。キビキビとした商売感覚は従業員の働きにも表れている。
栃木県北部に同社はある。福島県と茨城県の県境で八溝山系産出の優良材・八溝材としても有名だ。その豊富な資源のなか10センチ下クラスの丸太を原料に、造園や土木用資材を製造している。その原木消費量は年間2万5千立方メートルはくだらない。
工場ではCUAZ、AAC加圧注入設備も整備し、防腐、防蟻加工も自前でこなす。「商品の種類はお客さんのニーズ分」とし、一般的な造園資材から14メートルもの長尺杭まで幅広い。「問屋が在庫を持たないのでその日に受けた注文も翌日に配達。夕方4時に受注して翌朝7時に現場着なんていうのもざら」と話す。配送も自社トラック8台が北は札幌、南は和歌山までフル回転で杭丸太を届ける。
「25年前に父親とこの商売を始めて『約束を守る』ことは続けてきた」と話す。開業当初、苦労した集荷も、現在は共販所と契約して10センチ下の丸太はすべて一定額で購入している。「手間がかかることなので、ある程度単価を出して購入している」という。必要な時だけ購入するのではなく、いつでも購入する『約束を守る』ことで集荷困難な小径木丸太を常時在庫している。
決して広くない工場だが、細かな作業分担でとにかく人が多い。円柱加工機で加工後、鋸で杭先を4面削り、丁寧に梱包する。「手間ひまかけることが価値だと思っている。働きもんの従業員のおかげです」とにこやかに話す社長含め、従業員全員が昼どきに同じ弁当を食べる。同じ釜の飯で築く信頼関係は、そのまま取引先への信頼に繋がっているようだ。
“間伐材”そのなかでも究極の小径木活用で日本の山を下支えしている丸公はやたらと元気だ。