2008年7月15日
シリーズ「この人」吉村妙子さん・NPO法人「森づくりフォーラム」
(よしむら・たえこ)静岡県出身。千葉大学園芸学部卒業後、東京都練馬区役所土木部入庁。退職後、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程にて学位を取得。2005年より特定非営利活動法人森づくりフォーラム勤務。
市民の目線で森と人と地域をつなぐアウトサイダー
「森林ボランティア活動は、作業体験に終わらず、森を知ることや計画づくり、見直すことまで、プロセス全体を見渡しながら楽しんでほしい。そしてフィールドの周りにも目を向けてほしい」
特定非営利活動法人「森づくりフォーラム」(東京都文京区、内山節代表理事)の職員として、ボランティア向け手引書『市民参加の森づくり活動における森林施業ガイドライン』を作成。現在は、市民とともに現場で調査や計画づくりの実践を試みている。
関東圏の森林ボランティアのネットワーク組織として発足した任意団体「森づくりフォーラム」は2000年、特定非営利活動法人格を取得。新しい社会システムとしての「森とともに暮らす社会」の創出を目的に、普及啓発や団体支援・人材育成、政策提言・調査研究など、さまざまな事業を展開している。森に関わる多様な人々のネットワークの「交差点」である同法人の個人・団体会員数は現在、およそ400を数える。
「人の生活を支える第一次産業を大事にしたい」
大学では、みどりや環境について学んだ。サークルはサイクリング部に所属して北海道や九州など日本各地をキャンプで旅し、登山も楽しんだ。原生的な自然に魅かれる一方で、次第に「農業や林業がないがしろになっているのでは」「農山村と都市とがあまりにも離れてしまっていないか」という思いが強くなっていった。
卒業後は練馬区に就職し、農業体験のできる公園の管理運営を担当。しかし、行政の枠の外にある農林業への関心は強く、とりわけ人との関わり方を追求したくなり、退職して大学院に進学した。2002年春に博士課程の学位を取得した前後から「森づくりフォーラム」の活動に携わるようになり、それがきっかけで事務局員となった。
「森林環境も木材資源も、長期的に持続できるかが心配。日本の森林の保育や再造林が滞り、木の価値が上がらないままにしておいたら、ますます多様な機能は失われ、将来ストックも地域社会も損なわれてしまう」最近は、森が持続するには「川上」の山だけでなく「川下」も知る必要があると痛感し、機関紙の取材などを通して素材生産や原木市場、製材についても学び始めた。
問題の本質を捉えて、まとめることができる人」「簡潔な言葉で話す」「改善点に目が行き届く」とは同僚の人物評。
現在、「森づくりフォーラム」では、前述の『市民参加の森づくり活動における森林施業ガイドライン』(2006年)の販売を受け付けている。
詳細は次の通り。
▽A4判、本文約250頁、定価2500円▽問い合わせ先=森づくりフォーラム(電話03―3868―9535)
森と人がともに暮らし、持続できる社会を目指して、考え、行動する「森づくりフォーラム」。「私たちの役目と関係者の温かい気持ちを日々忘れず、一つの事業、一通のメール、一本の電話に向き合いたい」