2008年6月30日
東京都排出量取引実施でバイオマス発電脚光 切り捨て間伐も「宝の山」に
経済産業省が7月7日の洞爺湖サミット後をにらんで「排出量取引」を検討しているが、一足早く東京都は条例で事業者に2酸化炭素削減を義務化し同時に排出量取引を導入することになった。この排出量取引の対象に「バイオマス発電」など自然エネルギーもクレジットに利用できることになり、間伐材や廃材など燃料にしたバイオマス発電施設の建設活発化と、「切り捨て間伐」が金になることから間伐促進にもつながり沈滞している林業再生にも大きな朗報になる。
一定の排出枠削減を設定して、その目標を達成するために省エネやクリーンエネルギーによる電力を直接導入するか、その目標が達成できなければクリーンエネルギーを使っている企業からその権利を購入して2酸化炭素を削減したとみなす方法を「キャップ&トレード」という。この方法が現在国際的な仕組みになっている。東京都はそのキャップ&トレードを採用して条例で排出削減を義務化した。削減義務の目標は20年度15から20%を現状から減らすことになる。各事業所がどれぐらい輩出しているかの報告については2005年度から義務付けている。
その排出量取引の対象に、風力や太陽光発電に加え、間伐材や廃材など燃料にしたバイオマス発電も含めたことから、東京都の事業所は削減目標が自力で達成できない場合は、バイオマス発電を使用している企業から、そのグリーン電力証書を買う(トレード)して目標枠を消化しなければならない。または省エネ技術を導入するなど対策を実施するしかない。このグリーン電力証書発行は、日本自然エネルギー(株)など第3者機関の認定が必要になる。
このバイオマス発電が排出量取引の対象になったことは、「バイオマス発電の取り組みが一気に活発化する弾みになる」(日本自然エネルギー㈱)。ひいてはその燃料に使うこれまで切り捨てしていた間伐材が金になる「宝の山」に変わることになり、間伐促進に一役買う。林業にとっても朗報になる。
ただこのグリーン電力証書売却で得た金をそうした設備や間伐材回収に使途を限定する「グリーン投資スキーム」を適用するかどうかは規制していない(同社)ようだ。また森林が吸収する2酸化炭素については、トレードの対象にしたいないのは、「2酸化炭素吸収量のカウントを決めにくい」(同社)ことがあり森林整備した山林が排出量取引の対象にはならないことになっている。
しかし東京都が国に先駆けて排出量取引の実施を決めたことで、日本でも実施に向け大きく前進したことになる。