2008年6月10日
シリーズ「この人」竹内嘉人さん・秋田県銘木センター理事長
(たけうち・よしひとさん)「特市の賑わいは誇り」と語る竹内氏 東邦の取締役専務として 銘木普及に尽力
杉のオンリーワン市場目指して
木都・秋田県能代市の(株)東邦の取締役専務。東邦は終戦直後に祖父の竹内多助氏が創業した老舗で、現社長の敏夫氏に続く3代目である。今年4月末に行われた(協)秋田県銘木センターの通常総会で理事長に選任された。
「創業当時の東邦製材所は一般製材から建具材、合板、銘木、張天と何でもこなしたが、2代目の敏夫社長に移ったあたりから次第に銘木へと主力が移った。
主な製品は天然秋田杉の銘木天井板や柾板、盤類といったところだが、最近の新築住宅で和室の減少傾向から、銘木の需要はどうしても減っているという。
嘉人氏は「銘木が真価を発揮するのは和の世界。地価が高い都市部の住宅は機能やコストを優先するし、若い世代には落ち着いた和の世界がなかなか理解してもらえないので都市部での和室は減少していくだろう。注目すべきは比較的建坪に余裕のある農村部。農村部が豊かになれば銘木と限らず、国産材全般に好影響があるのではないか」(協)秋田県銘木センター理事長に選任されたことについて今後の抱負を問えば、「木材産業全体が沈滞しており、銘木業界も例外ではないので、今後も厳しい状況が続くことは覚悟している。ただ、少なくとも年3回の特市(初市、銘青会まつり、秋銘展)には必ず遠くから買方が集まり、2日間のセリが立派に成立していることは、センターの誇りに思う」と話す。
「東北森林管理局が販売する天然秋田杉は年々減少しており、今年度は3千立方メートル、来年度は2千立方メートルと希少化が進む。秋田の銘木業界にとって天然秋田杉原木の減少がダメージになるかと懸念していたが、天杉原木の減少は前々から分かっていたことだし、各メーカーはそれぞれ工夫して対応している。例えば高樹齢秋田(人工林)杉を使ったり、県外の高品質の杉を使用したり。天杉原木の減少がそのまま(銘木センターへの)出品量の減少にはつながっていないので、このまま年3回の特市を中心に、十分運営していける。杉のいい製品なら秋田の銘木センターと言われるよう『杉のオンリーワン市場』を目指したい」と話した。