2008年5月20日
【19年度森林・林業白書】国産材需要の本格化に備え、川上施策に力点
「平成19年度森林及び林業の動向」(=森林・林業白書)がこのほど、閣議決定した。今回の白書は、国産材の供給力向上が急務となっている背景から、川上向け施策に力点が置かれた報告となった。主要取り組みとして報告されている山林や製材所などに対する提案型の集約化施業が林業経営の改善、国産材自給率の向上につながるか、注目される。
白書のトピックスは6項目。1、森林施業の提案型の集約化林業経営2、京都議定書の第1約束期間の開始3、美しい森林づくり推進国民運動4、花粉発生源対策5、木づかい運動6、世界自然遺産「知床」における国有林の取り組み。
国産材を取り巻く環境がロシア材丸太の輸入関税問題や原油高による輸送コストの上昇など、先行き不透明な状況。また、需要面でも国産材の合板への利用量が過去5年で6倍、集成材が2倍に増加するなど、大規模工場中心に入荷量が増加している背景がある。このことから、国産材の供給力向上が求められるのは明らか。ただ現状は担い手問題や林家の施業意欲低下など課題が山積している。
その解決策として、今回の白書では「林業の新たな挑戦」を紹介。林業施業を森林施業プランナーのもと集約化(作業路網の整備、高性能林業機械の導入など)し、低コストで効率的な作業システム構築を目指すもの。全林家92万戸のうち保有林面積1ヘクタール以上3ヘクタール未満の林家が57%を占め、小面積の森林所有者が多い構造から施業効率は悪化、低い採算性が問題となっている。昨年度は森林組合、素材生産業、製材業、大規模森林所有者らが森林施業の集約化に取り組んだ。
また、平成17年に約5万人となった林業就業者。その担い手不足に対しては平成15年度「緑の雇用」以降、4年間で6千人が研修を終了。新規就業者の受け入れに対しての環境整備も急がれる状況だ。
なお、今年度の施策については「国産材需要がわずかながらも増えた昨年度の動向を受けて、川上にも積極的な動きが求められる」(林野庁)と供給体制の整備に主眼を置いている。
用語解説
森林・林業白書(しんりん・りんぎょうはくしょ)
森林・林業基本法に基づいて森林及び林業の動向、施策をまとめた報告書。全国の森林林業の1年間の取り組みを実例で紹介するとともに、今後の森林林業の具体的施策を提示している。詳細なデータ集として定評。