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2008年4月25日

シリーズ「この人」松元 孝守さん・新栄合板工業(株)社長

新栄合板工業(株)社長 松元孝守さん
(まつもとよしもりさん)コスト削減の工夫を「B材と船舶輸送で解決できる」と語る松元社長

国産スギ、ヒノキで合板づくり 仕入れと輸送コストの課題を乗り切る秘訣は

合板原料をロシア材からスギ、ヒノキ国産材へシフトする動きが目立っている。熊本県水俣市に合板工場を持つ新栄合板工業(株)(本社・東京都)の松元孝守社長は「当社ではすでに針葉樹の使用率が100%、うち半分以上はスギ、ヒノキ材を使っている。地域林業活性化のためにも国産材使用率を近い将来70%まで高めたい」と国産材合板への移行を進めている。

同社は今年2月、(財)日本住宅・木材技術センター創立30周年記念「住宅・木材振興表彰」で林野庁長官賞(木材利用技術開発賞)を受賞。住宅用合板に地元のヒノキ間伐材を有効活用し、実用化したことが評価されたもので合板メーカーとしては全国初の受賞。現在、同工場では杉丸太を月間1万立方メートル、昨年から生産を始めた合板用の桧丸太1000立方メートルを消費している。桧は杉と比べ強度があり、カラマツの代替として使用できるため、同工場では構造用合板の上下にヒノキ、中にスギを使ったオール国産合板の生産比率を高め、桧材利用を月間3000~5000立方メートルまで増やす計画。

ヒノキ間伐材は径級が小さく通直材を基本としているが、現在、4メートル14センチ上曲がり込み材を含め熊本、鹿児島、宮崎各県から国、民有林材を集荷している。松元社長は「合板原料が東日本ではロシア材から国産カラマツ、アカマツへ、西日本ではスギ、ヒノキへのシフトを強めている。安定的にヒノキが集荷できれば月1万立方メートルの生産体制はある。ヒノキ合板は輸入材との価格差がなくなったから生産に踏切った。カラマツと比べ径級が細かいため歩留まり(60%)は悪いが杉とは強度が違う、今後の課題は、価格と量的に安定供給が出来るかである。ただ、今の価格なら合うが、山主はどうしても過去にヒノキは高値で売れたという意識が強く、B材でも合板用向け出荷には消極的なようだ」と語る。

また、松元社長は「国産材利用は愛国心からでもある。天草には素晴らしいヒノキ林があるが、今は切り捨て間伐が主体でもったいないと思う。水俣から天草まで陸送だと6時間かかりコスト的に無理だが、船舶なら約1時間で運べる。船と港の整備、土場など、行政の協力も得てこれらの課題をクリアできれば出荷、買受双方にプラスになる」と国産材業界は輸送コスト削減の工夫が必要という。

同工場は、このほど試験的に輸送コスト削減のため静岡県(県森連)からも合板用にスギ、ヒノキ丸太B材約1200立方メートルを内航船輸送で集荷した。不透明なロシア産カラマツの代替材として、ベイマツや、ラジアータパイン(NZ材)も仕入れているが、同社は日本の森林保全、環境面からも大筋として国産スギ、ヒノキ材へシフトする意向だ。