2008年4月10日
シリーズ「この人」大平 清次さん・市売問屋マルト木材社長
大平 清次さん 市売問屋マルト木材社長
販売するだけの時代はとうの昔に終わった
どこの市場も市日の立ち会いでの来場者が少なく、市場関係者の悩みの種となっている。都内製品市場の問屋のなかに、こういった原因は買方の食指(しょくし)を動かすものが少ないからとして、純粋な木材にこだわらず売れるもの、珍しいものを求めて全国をこまめに歩いて集荷している人がいる。東京木材市場(東京都江東区)の市売問屋・マルトモ木材の大平清次社長である。
大平さんは、北は北海道から南は九州まで全国の産地に足を延ばし、一般木材はもとより銘木のような天然秋田杉の伐根輪切りや盤、板をはじめクリの大黒柱、ネズコ板などの製品まで様々なものの集荷に余念がない。
「市売問屋は純粋な木材にこだわることはなく、売れるもの、珍しいものをもっと集荷してくるべき。買方の食指が動くようなものを集荷すれば来場者も増え、立ち会いにも活気が出てくる。本田技研工業の創始者、本田宗一郎氏は「人間は失敗する権利を持っている。しかし失敗には反省と義務がついてくる」と述べている。仮に集荷に失敗しても、それは挑戦者の権利と開き直って失敗を恐れず、集荷と販売をする問屋でありたい」と話す。
市売問屋がどう生き残るかも大きな課題。「木材を単に集荷して販売する時代はとうの昔に終わった。これからの問屋は市売以外の機能も必要」と話している。
用語解説
製品市場(せいひんいちば)
木材の原木に対する製品の意味で、住宅用の柱や梁、土台のほか、銘木を使ったテーブルなどを取り扱う。専門業者間での取引は競り売り方式が一般的。同様の原木市場は原木、いわゆる丸太を取り扱う。
市売問屋(いちうりどんや)
製品市場を拠点に営業展開する卸売業者。セールスマンである競り子の腕次第で売上も変わってくる。対する附売(つけうり)問屋は競り売りをしない一般的な卸売業者。