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2008年3月10日

住宅、業界、木材が変わる-改正建築関連法の講演相次ぐ
NPO国産材・榎戸正人氏、住友林業・清本泰弘氏

榎戸正人氏は2月28日に岐阜県木材利用推進協議会の招きで岐阜市で講演。
主に今回の改正建築基準法がどのような影響を与え果たして関連業に必要だったのかという視点から話した。そして木材の樹種による耐久性などの違いや消費者や森林、環境にとって必要な住宅は何かについてもっと木材業界が主張しなければ法改正だけでは方向を誤ると警鐘。

一方の清本泰弘氏は3月5日に東海スミリン会で住友林業の技術者の立場で関連4法の重要ポイントを分り易く解説し、どのような対応が必要になってくるか解説。その中であえて詳しくは述べなかったが中小零細工務店や流通業界など消費者保護のための厳格化を要求する今回の法改正によって「業界変革のふるい」にかけられるリタイヤー組みが多数出てくる可能性にも触れた。

榎戸正人氏講演

200年住宅にもっと業界の声を、業界は住宅、木材の材料の違い説明を

岐阜県木材利用推進協議会(後藤直剛会長)は、年1回の消費者を含め広く木材、木造住宅の普及に役立てる講演会を行なっているが、今回は講師の榎戸正人氏(NPO法人国産材、(株)榎戸材木店代表)が絵本「3びきのこぐま」で伝えたいこと、と題して2月28日にウェルサンピア岐阜で講演を行った。会場は満席になり、今年最初で最後の講演になるという榎戸氏の話を熱心に聴いた。

建築基準法改正に伴う4号建築物特例廃止については、特例廃止は大混乱するだけと指摘し、従来の図書1の平面図を十分チェックすれば耐震性がどの程度か分ることでそうした審査体制も出来ないのに提出書類など増やせばどうなるか無理があると述べた。

また耐久性のランクで「極小」の樹種の構造材への使用は規制すべき、と述べ6年前から独自に屋外で行っている各樹種の腐朽やシロアリ実験の観察を詳しく述べた。そして使用木材一覧表に強度だけ言っているのは問題がありむしろ耐久性を重視すべきだと強調した。そして200年住宅の認定に業界の意見を主張しなければならないし、住宅も木材も価格だけでなく材料の品質の違いを消費者に説明し分かってもらうようにしなければならないと語った。住宅にも車と同じように「家検」を9年ごとに行ってはどうかとの意見を披露した。

またロシア材の原木輸出税が来年から80%になり影響について、「世界的に木材需給がひっ迫し相場も上昇する可能性がある」との見方を述べた。

清本泰弘氏講演

4号特例見直しが業界変革、プレカットにはチャンス、瑕疵担保保険の現場検査対応できなければ保険拒否も

住友林業の東海スミリン会(櫻井宏史会長)は第27回情報連絡会として「建築基準法等の改正とその対応」をテーマに同社木材建材事業本部イノス事業部技術統括グループマネージャーの清本泰弘氏が講演。昨年6月20日に大改正された4法(建築基準、建築士、宅建業、建設業法)のなか、「4号特例の見直し」と「住宅瑕疵担保履行法」について重要ポイントを解説した。

4号特例見直しは、これまで建築士が壁量や基礎など構造チェックを確認申請に付けなくてよかったが、この特例が見直されると「構造伏図」はじめ各種の設計図書が必要になることから、特に構造伏図は梁などのおさまりなど考えなければならず、プレカット工場しか書けないのでプレカット工場への依存が大きくなりプレカット工場にとってはビジネスチャンスになると強調した。

ただこの4号特例見直し時期について国交省は一切言わないが、瑕疵担保が来年10月1日から施行されることになっており、4号特例見直しはこの直後ではないかと予想していると指摘。工務店は保険方式を99・9%使うことになるが、保険会社は4号特例見直しで必要になる「構造、基礎伏図」の提出を要求することになるからだ。

瑕疵担保保険は住宅価格の0・5%ぐらいだから2000万円の家だと保険料10万円、それに比べ供託金の場合年に1棟造る工務店は2000万円。供託金の場合、年1万棟以上販売する住宅会社は1棟2万円ぐらいになり保険より安くなり供託金の方が有利。

ただ保険会社は現場検査(基礎など)、屋根と竣工検査の3回検査をするが、基礎の配筋など分るように写真を準備してないと保険に入れなくなるので気をつけないといけないと指摘。

ただこうした法改正は元請のやらなければならないことが急増し中小零細工務店の対応は難しくなることから、流通は資材、技術やノウハウを融合させ提案できるかが営業拡大のポイントになると述べた。

また工務店は1コンプライアンス(法令遵守)2会社情報の公開(設計、施工基準を持ちホームページで分るように)3第3者機関による現場チェックなど消費者の立場に立った姿勢と取り組みが求められるとまとめた。