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2008年1月25日

解説: 法改正で住宅、木材はどう変わる

住宅、木材は強度、耐久性と資産価値競う時代に
国産材は法改正でピンチとチャンス到来

カナダツガ・パートナー協会は財団法人日本住宅・木材技術センターの「木造軸組工法住宅の改正基準法における建築確認申請対応の解説」に基づき、建築確認申請に必要な設計図書に「使用構造材一覧表」を作成し材料にもスタンプを捺すことにした。来年以降は新たに、使用構造材一覧表添付と木材供給者は設計者にその内容について説明しなければならなくなることから、一足早くカナダツガの記載例を示し法改正に対応している点と比較的高いヤング率などの数値を示して木材業者や設計者が利用しやすくし需要拡大を図ろうとしている。

カナダツガに限らず使用する構造材はスギ、ヒノキ、カラ松や米松、ホワイトウッド(正式名称の記載を求められそう)などそれぞれの規格、等級や基準強度を同一覧表に明記しなければならない。

6月20日に施行された改正建築基準穂の中で4号建築物はこうした構造材のデータを明記したり説明しなくてもいいように今年12月まで延ばされたが、業界団体がそうした準備にまだ時間が掛かるとして国交省に要請したことからさらに実施が来年後半に延期されそうだとの話である。しかし来年後半実施にしても、準備期間は1年半しかない。

集成材はそうした体制は構造用JAS製品で無ければ販売できないことから当然整っているが、問題は製材品である。特に国産材製品はJAS製品が数%しかない、とのことだから乾燥後の機械によるヤング率や含水率を測定する設備を製材工場やあるいは地域の協同組合または流通が設備したり、JAS認定そのものを取得するにしても1年半は決して長くはない。

それに時間もかかるが「金」もかかる。JAS工場になるためには強度や含水率測定機だけでなく1000万円以上といわれる破壊試験機も用意しなければならない。

そうした設備の準備とどう一覧表にデータを記入するか、木材にもその一覧表の内容の構造材であることが分るようにスタンプなど捺し工事検査の際に確認できるようにしなければならない。さらに木材供給者は設計者にその説明責任が出てくるのだから、やるべき事が沢山ある。

そこで木材業界は一大変革期になった、と言われてる。そうした対応の出来ない業者も出てきそうだし反対にピンチはチャンスと捉える者もいそうだ。

例えば、集成材業界はそうした準備は既に整っているので、製材工場が対応できなければ、むしろ集成材の需要が増えるとの見方もある。また多くの業者が法改正に困れば、それに応える新たな事業チャンスが生まれるとのプラス思考の発想もある。

しかし今回の法改正は、最終的には消費者保護のための「住宅耐震性能の確保」を数字で表し消費者に分かりやすくするためだが、別の見方をすれば住宅メーカー別の「住宅性能の比較」もできるようになる。さらに住宅性能の比較だけでなく使用する「木材のヤング率や耐久性能の比較競争」にもつながる。

だから木造大手の中には「同じ国産材を使うにしても強度の高い国産材にする」との意見も聞かれる。特に梁桁、柱や土台など強度を要する主要構造材についてだ。原木の段階でも、杉は強度に相当バラツキがあるために年数の多くたっている丸太とそうでないものを仕分けして原木市場で販売する必要があるとの指摘が聞かれる。

住宅の耐震性や木材のヤング率を明記すれば当然、高い数字の方が売り易いしその競争も激しくなるからである。木材の場合は同じ樹種でもヤング率の高い製品が先に売れるだろうし、また樹種によってより高い数字の木が人気になりそうだ。

また、200年住宅が国の肝いりで税優遇処置が採られ普及が広がると、その基準に合うように住宅と構造材は耐震強度だけでなくそれなりの「耐久性」が求められる。200年住宅はゴミや環境問題の解決策の狙いのほかに、中古住宅としての資産価値を高めて流通させ、老後の年金をフォローさせようとの狙いもあり、時代の要請に沿った構想といえる。

そこで改正建築基準法とこの200年住宅構想が、住宅と木材業界に「どのような影響を及ぼすかよく考えなければならなくなった」(業界責任者)。

例えばプレカット業界は「200年住宅構想は長い目で見れば住宅建設が減りマイナス」と見ている。一方国産材業界は「桧やカラ松など強度、耐久性とも優れた樹種の採用が増える」と歓迎している。

今回の法改正によって各業界の反応には温度差があるが、住宅から林業まで全ての業種にわたり新たな対応が早急に迫られていることは間違いない。不況が深刻な状況になっているが、こうした不況時こそ法改正後の対応をして次の時代に備える一つのチャンスになりはしないか。