2007年8月25日
【森林総合研究所】
「どこへ向かう、中国木材市場」テーマにワークショップ
09年の原木輸出税引上げに向け中国企業の投資が加速
独立行政法人森林総合研究所(鈴木和夫理事長)はこのほど、茨城県つくば市の文科省の研究交流センターで「どこへ向かう、中国木材市場~わが国の林業・林産業への影響~」をテーマとするワークショップを開催した。鈴木理事長は「これまで中国研究は素人だったが、今年度は中国研究に取り組む助走期間と位置づける」と話した。
講演概要は次のとおり。
林野庁木材貿易対策室長・森田一行氏
中国の輸入先がロシア、パプアニューギニア、ガボン、コンゴ、赤道ギニアなど違法伐採についてはハイリスクの国である点に注目。
近年の輸入急増で世界の木材輸入に占める中国の割合は96年の2.4%から05年には5.6%を占めるまでになり、(米国、日本に次ぐ)世界第3位の輸入国になっている。ただ、中国の国内需給で総生産量の3分の2を燃料用材として使っている点が特徴的。また、中国の木材輸出金額は05年に60億ドルを声、輸入金額の55億ドルを上回っている。合板・集成材輸出ではマレーシア、インドネシアを抜いて世界一となり、家具の金額の伸びも著しく、加工国としての地位を向上させていることがわかる。国産材の中国への木材輸出は80億円超でまだ試験的な段階。中国で加工されて日本に再輸入される点で木材が使われることを歓迎する意見と国内産業にダメージを与えるとの双方の意見があがっている。
双日(株)建設・木材部門・加藤善也氏
今年1~6月の中国へのロシア材の輸入量は約1400万立方メートルで前年比19%増となっている。これは原木輸出税引上げの駆け込み輸入が背景にある。
09年に関税は80%になるため、中国への原木輸入は合板、製材の輸入に変わってくる。ロシアでの加工には労働力が足りないので、中国が加工の手助けをする流れになるだろう。中国では増値税の還付の調整と加工貿易規制で内販が奨励されているが、人民元の切り上げ、人件費上昇なども加わり、メーカーは廃業、倒産に追い込まれており、この傾向はますます加速すると見られる。09年の輸出税の大幅引上げによって中国企業によるロシアへの投資は陸続きの恵まれた環境もあり、大きく増えていくものと予想される。