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2007年7月30日

日本の住宅変えるか「自民党200年住宅ビジョン」~林声~

日本の構造的大問題である「少子高齢化」「年金問題」「国の借金」をいかにして解決するか、いよいよ現実問題になってきた。自民党が5月末にまとめた「200年住宅ビジョン」は、これらの問題解決の一助にしたいという狙いがにじみ出ている。そのポイントは老後の生活保障に住宅の資産価値を新たに利用しようとしているからである。

日本の住宅寿命は30年であり、先進国のなかで特に短命であることはよく知られている。夏の高温多湿という他の先進国ではない特異な気候が原因だが、これは今に始まったことではなく、昔の在来軸組住宅は50年、100年は当たり前だった。ところが高度経済成長時代に入り、住宅の資産価値は軽視され土地の値上がりだけが評価される傾向が強まったことがある。それに大壁工法の普及や構造材に使う樹種が耐久性の劣る外材に変わった点も大きい。また中古住宅を買ったり転売して移り住むという習慣や意識の薄い点もある。

そこで自民党がまとめた200年住宅ビジョンを実現するにはいくつかのハードルを解決しなければならない。

高度成長以降に根付いた日本人の住宅意識の改革、住宅資産価値の評価方法、さらにその住宅資産価値を老後の生活資金や米国のように「ホームエクイティーファイナンス」として住宅を担保に金融機関から生活資金を借りることができるシステムの構築などである。ほかにも中古住宅市場の育成や住宅資産価値を評価できる専門家の養成も必要になってくる。

この住宅を担保に老後の生活融資をする制度は「リバースモゲージ」といわれ、日本でも自治体が窓口になり一部普及を進めてきたが、その住宅評価はほとんど土地だけであり、それも5000万円以上の土地代の高い物件でないと対象にならないこと、さらに了解を得なければならない親族の反対などがあり、ほとんど申し込みがないという不人気だった。

そこでこうした日本特有の住宅意識の改革、さらに住宅が担保になりうる超寿命化をどのように評価するのか。住宅の資産価値を決める重要ポイントは何年ぐらい持つかという住宅寿命だが、自民党の200年住宅ビジョンではほかにも間取りの可変性、省エネやバリアフリーなども含まれている。

現在の日本の住宅は、特に購入するときにこの住宅が将来どのような資産価値になり、老後の生活保障に役立つかどうかといった視点に欠けている。30年ぐらいの消耗品として、結果的に購入していた。設備やデザインなど外見ばかりに目が行き、生涯を左右するかもしれないそうした住宅の資産価値や住宅の構造材の耐久性が軽視されてきたのである。

自民党が進めている200年住宅ビジョンは消費者にとっては欠如していた重要な点に関心が向くことになり、より幸福につながる住宅選びに変わる可能性がある。

らにこれは住宅、資材業界にとっても影響が出そうだ。どのような住宅の資産価値が高くなるのか。特に重要な構造(スケルトン)の樹種、資材が資産価値を高めるのに役立つのか。こうした点も今後論議を呼びそうだ。
(大山)