2007年5月15日
クローズアップ「勝ち組負け組の構図に異変?」住宅回復鈍く高値の北欧、ロシア材敬遠の動きも
今年も資源インフレによる木材相場値上がりが継続するとの当初見方に反し、「住宅回復が鈍く、それに思惑的な在庫積み増しが相場の足を引っ張っていることも北欧材製品に見られ輸入コスト上昇の販売価格への転嫁が難航。むしろ割安な杉間柱、柱KD材や米松KD平角に住宅業界の仕様変更が続いていることが北欧、ロシア材の相場の頭を抑えている」(問屋)との傾向が強まっている。ラミナや間柱など輸入コスト高を吸収できない構造用集成材メーカーや輸入問屋などは苦戦を強いられており、割安な杉、米松や米栂製品の販売に力を入れている。
「現在、元気なのは杉だけではないか」といわれるほど木材商況は予想外の鈍さ。4月に入ってもプレカット受注は回復が鈍く、5月連休前後の構造材が動く時期になっても引き合い、売上げが伸びないとの指摘が大勢。しかも今年は主力のWW(ホワイトウッド)5プライ、間柱を商社からプレカット工場まで今年2月くらいまでに相当手当てし在庫が豊富なことから、4月に入っても住宅回復が鈍いと分かると「売りに回る在庫ダブツキ感」(問屋)さえ出ている。ロシアアカ松間柱も一部メーカーはWW間柱より安く売っているとの話も。
そこでフィンランド、スウェーデンなど北欧産地はWW原木不足や地元欧州を始め開発途上国で需要旺盛なことから「WWラミナはRW(欧州アカ松)を上回るコスト高の勢い」(同)だが、WW間柱、同5プライも4月以降値上げが難航し価格を据え置いている。北欧、ロシア材を原材料にしてきた「集成材メーカーの勝ち組としても構図が変わりつつある」との見方も出ている。
むしろ川下の住宅業界は値下げ要請が強く「割安な代替材の杉、米松、米栂KD製品を要求される」ような相場天井感が強い。そこでWW間柱は6万円目前に足踏み状態。割安な杉間柱KDは5万6000円で人気。またRW集成平角分野でも「住宅大手のなかには米松KD平角に再び戻す仕様変更を検討し始めている。8万円(立法メートル)というような高値は無理になっている。5プライも7万円台には抵抗が強い」との指摘も聞かれる。
中国木材は8月まで値上げを見送っており、RW集成平角との値開きは1万円を超えている。国産材製材工場でも、こうした状況を反映して動きと採算の良い杉へのシフトが続いている。特に中部地区は杉大型工場がなく杉原木が関東、九州産地よりも安値だったこともあり、地元の桧工場のなかには杉製材を手がける動きが目立つのを始め、杉大型工場のある関東、北陸からの原木集荷もあり杉柱取りは1万~1万1000円だったのが1万2000~1万3000円まで居所を上げている。また杉中目下(20~22センチ)も1万円以下のものがあったが、現在では1万2000~1万3000円ぐらいまで上昇。
杉原木の需給はタイトになっている。合板、集成材ラミナ用のB材も東西の合板メーカーなどからの引き合いでジリジリ上げている。(大山繁春記者)